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88.種子たちの知恵 [生物]

 今週の本は多田多恵子「種子たちの知恵」出版は5月で買ったのは9月。冬にも春にも夏にも種子をつける植物はたくさんあるんだけど、でもやっぱり実といえば晩秋だろう、ということで2ヶ月寝かせといた。

 その間にいろいろ実を見つけておいて、なんて思ってたけど、今年はキノコを求めてじめった所の下ばかり見て歩いていたので木の実は全然探してない。^^;

 で、あわてて今日の午前中、目黒の自然教育園を覗いてきた。天気も良かったしね。

 自然教育園にした理由の一つは、前にキノコの写真を撮りに行った時、入り口付近にウバユリの若い実がいっぱいあったので、そろそろ陽に透かすときれいなその実が熟してるかな、と思ったこと。

 行ってみるとありました。ちょうど時期ピッタリ!

種01.jpg

 実はこんな感じ(↓)。中の種子が散ると下の写真のようになる。

種07.JPG

種08.JPG

 入園の時にもらったリーフレットには一応「実を持ってくなよー」とは書いてなかったけど(ドングリが多いところには『小動物の冬のエサなので持ってかないで』と書いてあった)、気分は盗人。というわけでヌスビトハギの種。^^;

種04.JPG

 まわりに細かい(肉眼で何とか分かるぐらい)先がかぎ状になった毛が密生していて衣服や動物の体にくっついて運ばれるんだそうだ。今まで集めるとすぐかたまっちゃうのでネチネチしてるのかと思ってた。

 動物が運ぶ代表イノコズチ(ちょっとピンボケ)。オナモミは見つからなかったな。

種09.JPG

 これはキンミズヒキ?この本によれば。

種12.JPG

 冬に赤い実が多いのは鳥に食べさせるためなんだそうだ。

 もちろん実は食べさせて、種はフンと共に遠くに落とさせる。あまり一度にたくさん食べさせないために、ちょっと毒が入ってたり、タンパク質分解酵素が実に入っていて食べてる途中で舌の表面が少し溶けてチクチクしてきたり。ただ実だけ食われるわけにはいかないわな。

 これは何だろう。よく分からなかった。お正月の植物センリョウもたくさん熟してた。マンリョウはまだ白っぽい実でした。

種06.JPG

 これはノイバラ。あまり栄養が無さそうだけど、これも鳥が食べるんだろうか。

種13.JPG

 栄養豊富なヤブマメ。まだ緑色のやつをゆでて食べた人の話だと、枝豆っぽい味らしいよ。

種16.JPG

 風で種を飛ばす植物も多いよね、タンポポとか、キク科とか。これはアザミ。何アザミだかはよく分からない。

種03.JPG

 ここは湿地もあるんだけど、そこには綿毛を出したガマの穂が。風で飛んでいく。となりに穂が開いてないソーセージみたいなやつもあるでしょ。

種14.JPG

 ススキもきれい。ちょうど見頃。淋派っぽく撮ってみたけど、コンパクトデジカメで逆光だとモニターがよく見えなくてピントが合わなかった。一眼さんが欲しい。TT

種15.JPG

 この本を読んでると、いろんな木の実も欲しくなってくるんだけど(何しろ物欲王子ですから)、路傍のなにげない草の実ものぞき込んで見たくなってくる。

 入り口近くは名前が掲示されてる草が多くて分かりやすい。っていうか分かる。これは1パック4個入りのカリガネソウ

種18.JPG

 同じ4つの種子が入ってるけど、こっちは個別包装のマツカゼソウ

種17.JPG

 

 この本は良くある“種の図鑑”や“種の不思議”みたいな本と違って、生物学的視点で書かれていてちょっとお勧め。「趣味と園芸」に連載していた文章が元になってるらしいよ。

 著者の多田氏は東大の大学院で植物学をおさめた理学博士で、ちょっと古い資料ではICUや立教大学、東京農工大で講師をされているらしい(あまり詳しくは分からなかった)。けっこうどの実でも食べてみちゃう人で、良いな自然体な人で。この人の授業を聞いてみたい、と思った。

 

◆中学生で読める度:★★★★★   
◆内容充実してる度:★★★★    

種子たちの知恵―身近な植物に発見!

種子たちの知恵―身近な植物に発見!

  • 作者: 多田 多恵子
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本
    価格 : 1470円

 


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アヨアン・イゴカー

因幡の白兎の歌、
ガマの穂綿にくるまれば、兎は元の白兎

ガマの穂綿、見たことありませんでした。ソーセージのような形しか知らず、
どうやって兎をくるむのだろう、と思っていました。この写真を見れば、まぁ、納得ですね。
by アヨアン・イゴカー (2008-11-20 00:09) 

めりっさ

>「気分は盗人」
いえいえ、これはきっと、人間が種子を持ち帰りたい気分になるよう仕向けている種子の知恵に違いありません…!(^^)!

by めりっさ (2008-11-20 01:12) 

すうちい

>アヨアン・イゴカーさん ソーセージを持って帰って部屋でほおっておくと、ある日突然綿毛が爆発して大変なことになりますよー。
お試しあれ。^^;


>めりっささん そうか、植物の戦略でしたか。
そういえばよく採って帰った種を置きっぱなしにしたり、どこへしまったか忘れるなぁ。←ネズミ・リス並み^^;
by すうちい (2008-11-20 14:59) 

mistletoe

ガマの穂大好きです。
かわいい~なぁ…と幼少の頃から。
この本面白そうですね!

いわゆるどんぐりや胡桃などの木の実のちゃんとした図鑑が
この世に無いのですよね。。。果実がまざってて、どんぐりの種類は
網羅されていないし、胡桃なんてちょっとしか…
INAXあたりに企画を持ち込もうかと目論んでおります。。。
by mistletoe (2008-11-20 18:44) 

サプライ

雑木林のヤブコウジの実、あっというまに
鳥にたべられます。ヤブランも・・・
これからが厳しい季節ですね。
by サプライ (2008-11-22 18:04) 

ブーケ☆

はじめまして。

種子に着目したことがなかったので、初めてのことばかりで興味深かったです!
赤い実にも理由があったり、植物も生き残るためにいろいろ戦略を考えているのですね。
by ブーケ☆ (2008-11-22 20:26) 

すうちい

>mistletoeさん ガマの穂は何とも不思議ですよね。
この本にガマの穂綿が“パーッと散る”仕組みが載ってます。
この本はお薦め。ジュズ玉の秘密とかね。クルミもちょっと載ってた。

たしかにINAXは向いてるかも。是非!あっ、ドングリ拾いもね。
by すうちい (2008-11-22 23:26) 

すうちい

>サプライさん ヤブコウジですか…おーっ、調べてみると確かにおいしそう。
でも人が食べられるとは書いてないなぁ。
分類はヤブコウジ科ヤブコウジ目ヤブコウジ…寿限無みたい。^^
by すうちい (2008-11-22 23:32) 

すうちい

>ブーケ☆さん はじめまして。
植物の戦略は驚くべきものがありますよね。本当に不思議。どこで考えるんだろう?
道を歩いている時、ちょっとやぶをのぞき込むといろんな実がなってておもしろいですよ。

またいらしてくださいね。
by すうちい (2008-11-22 23:37) 

SAKANAKANE

ウバユリの実は知りませんでしたが、この写真とても良いですね。
ガマの穂は、私もキリタンポ状のモノしか知らず、驚きました。
とにかく知らない事ばかりで、この本はとても面白そうですね。
直前に慌ててとはとても思えない、すごく充実した取材記事になっていて、流石と唸らされてしまいました。
by SAKANAKANE (2008-11-24 20:55) 

すうちい

ありがとうございます。
ウバユリはビニールに入れて陽に透かしてみるととても綺麗なんです。
残念ながらこの日は午後風が出てきて外ではうまく撮れなかったので、仕事部屋で窓越しの青空で撮りました。
今、本の間にはさんで“押し種”中です。

by すうちい (2008-11-24 23:30) 

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