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99.物理の散歩道 [物理]

 ついに2月。国立・開成高校の入試まであと1週間前後。公立高校入試まであと3週間ぐらい。悔いの残らないように勉強を!

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 12才の少女すうちいさん(人間に換算禁止!)、最近首輪がかぶれるようになってしまい、ネッカチーフにしてみました。^^

 悔いのない勉強をしたら、あとはお守りでも縁起グッズでもいいから何でも味方にして試験会場へGOだ。もちろん自分の力だけを信じるのもgoodだね。[手(チョキ)]

 時計を忘れないようにね。学大附高みたいに時計が無いところもあるよ。携帯はもちろん禁止。消しゴムは2個欲しいな。落ちたとき言えば拾ってくれるが、どこに行っちゃったか分からないときもあるからね。腹へらし屋はアメを持って行って休み時間になめると良い。

 

 さて、ここのところブログ主の特権で“中学生向けはどこ行った?”シリーズをお送りしてます^^; が、今週は読めないことはないよー。僕が中3の頃読み始めたやつだからね。

 ロゲルギスト著「物理の散歩道」が今週の本だ。気づいた?そう、このブログのタイトル「理科散歩」の「散歩」はこっからとった。

 “ロゲルギスト”は物理学者のグループで、5人でスタートし、後に7人になった。“ロゲルギスト”という名前は、人の考え方を表す「言葉」という意味のギリシャ語のロゴス(logos)と「仕事」を表し「エネルギー」の語源になったエルゴン(ergon)の2語をつないで作った言葉、ロゲルギーク(Logergik)に由来する。(と、本の「はじめに」に書いてある)

 ロゴスといえば、ヨハネによる福音書』の冒頭の次の一節が有名。wikipediaにギリシャ語表記も載っていた。

   Ἐν ἀρχῇ ἦν ὁ Λόγος, καὶ ὁ Λόγος ἦν πρὸς τὸν Θεόν, καὶ Θεὸς ἦν ὁ Λόγος.
   はじめにロゴス(言)があった。言は神とともにあり、言は神であった。

 これが中・高生の僕には格好良く思えてね、20才ぐらいまで「1654(はじめ=1 に ロゴス=654)」をキャッシュカードの暗証番号にしてた。y(^^)。今は違う。もっとくだらないやつになってる。堕落しました。たは。(ー○ー)=3

 さて本の内容だけど、前の紹介した中谷宇吉郎の随筆寺田寅彦の随筆に近い。というか当然それらを意識して書かれてると思うけどね。身のまわりで起こる様々な現象を、物理の眼で見て、論理的に考えて、実際に実験もしたりして、その謎やその謎の奧にあるものを明らかにしていく。

 例えば、これは読んだことを覚えてた、水道の蛇口から細く水を出すと途中まで透明な水の柱で、途中から水玉になって落ちていくだろ?これは「水が表面張力を持ち、球になった方が細い柱状になるよりエネルギーが小さくなるからだ」そうだ。

 さて見ているとこの水玉になる位置が上下する。これは様々な振動が伝わり、それが増幅されて起こるんだそうだ。そこでこの水の柱に向かって声を出すと、水玉になる位置が上にあがるという。しかも水玉のところをよく見ると太いところと細いところが交互に並んだしまもようになるという。

 風呂場でやってみたけど、水の出し方の加減が難しいな。1回はうまくいったような感じだったけど、他はイマイチ。しかも写真を撮ろうと思っても暗くて水玉が写らない。orz

 しょうがないから家の駐車場の水道でやってみたけど、やっぱり外だと無理だな。水玉の写真は撮れたけど。まぁ、お風呂に入ったついでにやってみてごらん。うまくいくかもね。蛇口の上を軽く叩いても水玉になる位置はすーっと上に行くよ。

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 他にも満員電車の人の乗り降りの様子を解析してドア部分の改良の提案をしてみたり、もっとも効率の良い紙玉鉄砲を考察してみたり(子供が作ったやつを壊してしまったので考え始めたらしい)、丸ビル大の豆腐が作れないことを数式処理で計算して示してみたり、これは寺田寅彦も書いているけど線香花火の燃え方を表面張力やら酸素の溶解速度やらから考えてみたり、身近な話題をどんどん物理ワールドに引きずり込んでいく。

 基本的にはロゲルギストが集まっていろいろ話しをしたものを元にしているので、話しに広がりがあっておもしろいし、わいわい言いながらいろいろやってみているような“楽しんでる行動力”が感じられる。

 岩波書店から5冊、中央公論社から「新・物理の散歩道」として5冊出ているみたい。僕が読んだのはたしか3冊ぐらい。父がまとめて買ってきてくれた。思い出の本です。そして読む価値のある本です。

 

◆中学生で読める度:★★★☆☆   
◆内容充実してる度:★★★★★    

 今週はかなり古いよー。一番古い記事は50年前だ。だから真空管なんて出てくる。中・高生は知ってる?真空管。細長い電球みたいな感じのもので、昔の電気製品に使われてた。

 最初のコンピュータも真空管で動き、何しろ真空管がでかいからコンピュータ自体も小さいビルぐらいの大きさがあったらしい。ちなみに鉄腕アトムも真空管で動いていて、壊れたアトムの真空管をヒゲ親父が取り替えてやったりする。

 まぁ、でもそういうテクノロジーの古さはしょうがない。その後間違いだったことが分かった記事もあるんだけど、今読み返してみて、ここには科学する心が満載されてる。充分5つ★だな。


 

物理の散歩道

物理の散歩道(1~5巻)

  • 作者: ロゲルギスト
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1963/04
  • メディア: 単行本
    価格 : 古本 3000円ぐらいから

ただし、オークションではもっと安いし、たいてい図書館にある。僕は図書館で借りたあと、オークションで3巻までセット3000円で落札した。

 

 

 インフルエンザが4年ぶりの大流行だそうな。ノドの粘膜で増えてから体にアタックしてくるからうがいを忘れずに、受験生諸君。

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95.物理学とはなんだろうか -上- [物理]

あけましておめでとうござりまする。

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 今さらですが、まだ松の内ということでお許しを。昨日冬期講習が終わりました。今日は本当はテストの採点だったんだけど、疲れて昼は寝てました。夕方、弟が「酒だ!」と起こしに来たので起きだし、“気”をこめて馬鹿話をしたおかげで復活。いやぁ、“気”の充実は重要ですな。はは。あわててブログの定期更新を。

 元旦はここ数年続けている赤坂日枝神社(山王神社)へ初詣へ。木彫りの干支の置物を十二支集めるのと猿回しを見るのが目的。

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 今年の牛はけっこう良かった。これで猿から6干支そろった。あと6年は行くデバよ。物欲王子ですから。

 猿回しは、回す方も回される方も代替わりし、回される方は1歳の可愛い小猿になった。

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 芸は輪くぐりと台と台の間を飛ぶのしかできないのだけど、可愛いので例年より受けてた。(´。` ) =3

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 このあと○○銭(何て言うんだったかなぁ?)を集めて廻るんだけど、千円以上出すと次郎(猿回しの猿だよ)の手形をくれるというので、千円出してもらってきた。これだす。

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 生命線長っ!

 

 今週は、先週の「マンガ 物理に強くなる」の漫画家鈴木みそ氏「化学式に強くなる」にしようと思ったんだけど、本屋でざーっと見たところ、中学では出ない「モル」中心で、しかもちょっと品がないのでボツ。“これを描けば受けるだろう“的品のないマンガは嫌い。

 さて困った。現在読んであるストックは無し。本屋では益川氏、小林氏らノーベル賞受賞者の本が並んでいるので、それはどうかとパラパラ見たけど、さすがに素粒子物理学は中学生には厳しいな。

 岩波新書から2000年ノーベル化学賞受賞の白川英樹氏、1965年物理学賞受賞の朝永振一郎氏の本が出ているのを思いだし、見たけど白川氏の方はちょっと無理だなぁ。

 朝永氏の本はむかーし読んだ。その時の“おもしろいけど難しい”という記憶があったけど、パラ見では分かりやすかったのでこっちに決定。ということで今週の本は朝永振一郎「物理学とは何だろう 上」にした。(つまり下はまだ読んでない^^; むかーし読んだけどね。)

 内容はケプラーから始まり、人物とその業績を紹介しながら、そのことが物理学上どういう意味を持つかを分かりやすく説明していってくれる。

 そもそも序章の物理学とは「われわれをとりかこむ自然界に生起するもろもろの現象-ただし主として無生物にかんするもの-の奧に存在する法則を、観察事実に拠りどころを求めつつ追求すること」というところから本は始まる。

 青少年のためにノーベル賞学者が物理学の発展の歴史を実にていねいにわかりやすく解説してくれる。のだが、さすがに熱力学になると中学生には無理だなぁ。ニュートンのところも中学生には無理。でもその後のワットの蒸気機関のところは分かりやすいし、おもしろい。

 最後のカルノーと熱力学のところが一番おもしろいんだけど、まぁ、さっぱり分かんないでしょう。物理の好きな高校生か大学生じゃないと無理だなぁ。

 でもとにかく分かりやすく分かりやすく説明してくれる。説明しようとしてくれる。

 例えば「物理学というゲームの特性…の『観察事実』のなかに、『人間がわから積極的に自然に働きかけて引き出した“実験事実”をも含める』ことを明確にしておきましょう。」というかんじ。後進を育てようという優しい気に満ちた本です。

 図書館で見つけたら分かりにくいところをとばして読んでごらん。

 

◆中学生で読める度:★★☆☆☆   全体の2/5を読めるという意味ですな、今回は。
◆内容充実してる度:★★★★    

 

物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書)

物理学とは何だろうか〈上〉

  • 作者: 朝永 振一郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/01
  • メディア: 岩波新書黄85
    価格 : 819円

 

今年もよろしくお願いいたしま猿。

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94.マンガ 物理に強くなる [物理]

 今日から気圧配置が冬型です!寒いです。空気が乾燥してます!でもおかげで空は快晴でっす!

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 手抜きじゃぁございません。こないだ冬型になった26日の朝に撮ったもの。ほら、色の揺らぎとグラデーションがあるでしょ。

 夜は星がきれい。さてこれは何座でしょう?

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 へへへ、これはいんちき。^^ 夜、帰り道、アスファルトの路面がピカピカ光ってたので、近づいてみたら車のミラーの破片らしいものが光ってた。きっとぶつけちゃたんでしょ。きれいだから写真を撮っておいた。

 

 昼は冬期講習で、夜はその予習。忙しくてなかなかちゃんとした本は読めないので、渋谷の紀ノ国屋を物色していて見つけたマンガ本を読んでみた。一応ちゃんとブルー・バックスだよ。今年の8月に出たばかりみたい。

 それが今週の本関口知彦原作、鈴木みそマンガ「マンガ 物理に強くなる」じゃ。関口氏は埼玉県立桶川高校の物理の先生らしい。鈴木氏はゲーム、IT関連のマンガが多いらしいよ。

 物理、というか力学についての本で、主人公は物理が赤点で留年しそうな高3の野球部のエース松山さとる君と、ひょんなことから彼に物理を教えることになった同じ高3の天才少女久保聡美さん。まぁ、ありがちな設定ですかね。

 さて問題は中身だが、実はなかなか良くできてる。

 後書きによれば原作者と漫画家の間で5年にわたってやりとりをして完成させたらしい。いやぁ、その価値はあったんじゃないでしょうか。もっとも5年かけてる間に中・高生の野球人気がサッカー人気に追い越されてしまい、こんなことならサッカーを舞台にしておけば良かったと鈴木氏はぼやいているけど。^^;

 内容としては高校の初等力学。何しろ赤点君に教えるんだからね。そしてこの初等力学の内容は、前の、そして次の中学の教科書の、そしてそして現Z会中3で教える範囲ととかなりダブる。

 中学範囲の力学がだいぶ身にしみたこの時期なら、詳しく図で説明されるので、理解が不足してたところの理解が深まって良いんじゃないかな、この本。5年かけただけあって分かりやすい。

 慣性力(「慣性」は中学範囲)とか、等価原理とか、ちょっと中学生には分かりづらいところもあるけど、何しろマンガだからたっぷり図解してくれるし、まぁ、それにその辺は雰囲気が分かれば良いでしょ。

 

 ところで、同じ物体を、同時に水平に投げ自由落下させると、水平方向の速さに関係なく2つの物体は同時に着地するのは中3以上なら分かるね。同時に落ちるのは、物体を落下させる力はどちらも同じ重力だけだからだ(実際はあまり形が違わなければ違う物体でも良い)。

 これを証明する有名な実験があるんだけど、それがこの本にも出てくる。久々に思い出したので、昨日、午前中お茶の水教室でやって見せた。そして昼飯時間が10分しかない(TT)移動で渋谷教室へ。

 渋谷の授業で終わりなので、授業後、残っていたOさん、H君、K君たちに協力してもらって実験の様子を写真に撮ってみた。

 まず30㎝のプラスチック定規に台をつけ、そこのコインを置く。

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 これをたわめて、手を離すと、曲がった内側は台をいきなり外されるので自由落下し、外側は定規にとばされて水平に飛びだし、放物線を描いて飛んでいく。そして同時にチャリンと床に落ちる。

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 さて撮影は実はちょっと苦労した。本にあるようにコインでやると、コインの動きが速いうえに物体として薄いので、コンパクトデジカメではこんなになってしまう。

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 さてどうしよう、と理科のU先生を交えて考えていたら、U先生がペットボトルのキャップを開けて水を飲み始めた。

 [ひらめき][ひらめき][ひらめき] これだ、キャップだ!厚みがあるし、カラフルだし。[ひらめき][ひらめき][ひらめき]

 さっそく2つ用意し、そのままだと軽いので、中に10円玉を5枚入れ、上を500円玉でふたをし、セロテープでとめた。これでやってみると…いい感じ。速さが遅くなったし(質量が大きいからね)、カラフルで見やすい。

 さて、これで撮影再開。飛ばすタイミングとシャッターを押すタイミングを合わせるのが難しかったけど、何とか成功!

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 もうちょっと水平方向の速さが欲しかったけど、ここまで30枚ぐらい撮ってるし、きれいに写ってるので、これにて終了。

 

 何しろ赤点松山君の試験対策のための内容なので、なんと練習問題もついてる。これが国立附属やら開成やら公立トップ校やらの受験生にちょうど良いレベル。ちょっと受験勉強のはし休めに、頭の中の力学の整理に、気分転換に読んでもおもしろいと思うよ。

 

◆中学生で読める度:★★★★   
◆内容充実してる度:★★★★    

 

マンガ 物理に強くなる (ブルーバックス)

マンガ 物理に強くなる

  • 作者: 関口 知彦 (原作)
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/08/21
  • メディア: ブルーバックスB1605
    価格 : 1029円

 

 

 この本のマンガを担当している鈴木氏はブルーバックスでもう1冊化学のマンガ本を書いてる。次はそれにしてみるかな。


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87.戸塚教授の「科学入門」 [物理]

 ちょっと前の朝日新聞に、癌で亡くなった、ノーベル賞確実といわれた物理学者が生前青少年向けの科学入門のブログを作っていて、その記事と、PC内に残っていたまだ発表していない、用意していた記事とを奥さんが一つの本にまとめて出版したという記事が載った。

 それが今週の本、戸塚洋二「戸塚教授の『科学入門』」だ。

 戸塚洋二氏はノーベル賞を取った小柴氏のお弟子さんで、小柴氏と共にスーパーカミオカンデニュートリノの観測・研究をし、世界で初めて「ニュートリノに質量がある」ことを示した。

 ニュートリノは、簡単(かなり乱暴に)に言うと原子の原子核が崩壊する時に飛び出す(素)粒子で、核融合反応が起こっている太陽のような恒星からはばんばん飛び出している。[ぴかぴか(新しい)]

 どれくらい飛び出しているかというと、この本によれば我々の体を毎秒10兆個(!)以上の太陽からのニュートリノが通過しているという。

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 ↑ X線でとらえた太陽(wikipediaより)

 なんでそんなに通過しちゃうかというと、1つはとても小さいから。この本によれば、原子を太陽系の大きさまで膨張させた時、ニュートリノの大きさは直径20㎝の球ぐらいにしかならないらしい。だからめったに体を作る原子とぶつからないわけだ。

 それと電気を帯びていないから、電気を帯びた電子や陽子からなる原子と作用しあわない。正面衝突しないかぎり。

 それに質量がとても小さいので、引力による作用も受けない。

 つまり、ないないづくしの粒子がスカスカの我々の体や地球を通り抜けていくわけだ。

 

 このニュートリノに関しては、スーパーカミオカンデのHP(→私を押して。)の中にとても分かりやすいビデオ・コンテンツを見つけた。「出版物→sk紹介ビデオ→『素粒子と宇宙の秘密を探る』」で見てごらん。

 「研究内容紹介→『やさしい研究内容』」にもビデオ・コンテンツがある。こっちはイマイチ。

 「研究内容→『遠近法的ディスプレイ』」にはチェレンコフ光(が何かは上記のビデオを見てね)をとらえた美しい画像があるよ。(僕は今これを編集してPCのデスクトップの背景にしてる。↓    その前は鎌倉で撮ったキノコの写真だった。^^)

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 この本はニュートリノのような自分の専門分野だけを取りあげているわけではない。

 

 第3章「植物の基本は『いい加減さ』」では、奥飛騨にあるカミオカンデに勤務している頃、そのまわりの豊かな自然に触れている間に、「葉の形や枝ぶりなど、植物の形のいい加減さにあきれてしまい」、でも「なぜだろう?」と思い「外界の影響によって遺伝子の時間的発現が大きく制御されているはず。」考える。

 さすが最先端の物理学者。前に紹介した寺田寅彦もそうだったけど、身の回りにワンダーをいつも感じているんだよね。

 そこでいろいろ調べていくと、例えば「葉の多様性」についての「系統的な観察データがどうやら存在しないらしい」事が分かる。

 じゃあ、ということで必要な項目を列挙してみて、「前述したような観察は中学生や高校生でもできる作業です。われわれの言う『系統的なデータベース』の構築を行ってほしいものです。」と結ぶ。

 

 これも戸塚氏のブログに載ってる記事だ。 戸塚氏のブログ →私を押して。

 

 ブログ内のカテゴリー「科学入門」がこの本の中心となる内容だ(本に掲載されている写真がカラーで載っていてわかりやすいよ)。

 このブログの終盤はご自分の大腸癌の進行状況レポートで、最後は「父は7/10に亡くなりました。」という娘さんの記事で終わる。[もうやだ~(悲しい顔)]

 そこに載ってる写真がこの本の表紙にも使われている写真で、知的で、全てを包み込む優しい笑顔だなぁ。

 この本の巻頭にある「最後のインタビュー(2週間後に亡くなっている)」でこんな事をおっしゃってる。

 

 僕が嫌いな言葉が一つある。それは「子孫に負を残すな」っていう言葉。僕は「どんどん残せ」って言うんです。放射性廃棄物の処理にしても、環境問題にしても、エネルギー・食糧危機にしてもね。我々より頭が良くなってるはずなんだから、彼らに任せれば簡単にやっちゃうよ、って。そういうことを期待しています。

 僕らも難しいって悲鳴を上げていました。昔も今も変わらないんだよ。いつでも、そうなんだよ。

 

 死を前にして希望の光を後進に託す。ちょっと泣けてくる。

 巻末に2005年に行った講義の妙録が載ってるんだけど、アメリカの理論物理学者ジョーン・バコールの言葉を借りて次のようなことも言ってる。

 

 彼は、みんな「宇宙望遠鏡(ハッブルのこと) で何ができますか」というふうに聞いてくる。しかし、もし、できそうだと思われるものを見つけるだけだったら全然おもしろくない。予想をしなかったものを見つけるのが科学だ。

 どういう風に質問していいかわからないような発見でないと、おもしろくないじゃないか。

 

 読んでると希望がわいてくる本だ。“知的冒険心”にあふれている人だね(でも本当は末期癌で体調が悪かったんだろうね)。

 

ついでに:
 戸塚氏も関係していた(そこからの文章も入ってる)「創造性の育成塾→私を押して。)」っていうのがあって、そのHPの「第3回夏合宿授業風景・動画」にいろいろな人の中学2年生向けの講義が入っている。ノーベル賞学者利根川進氏とか、TVによく出てくる天文学者的川義宣氏とか、塩川正十郎(元財務大臣)なんて変なのも入ってるが、まだ全部は見ていないけどかなりおもしろいよ。ただちょっと長いけど。^^;

 

 身のまわりはワンダーに満ちてる。それを感じるべし!

 

◆中学生で読める度:★★★★  ただし、数式はとばしてね。
◆内容充実してる度:★★★★★    

戸塚教授の「科学入門」 E=mc2 は美しい!

戸塚教授の「科学入門」 E=mc2 は美しい!

  • 作者: 戸塚 洋二
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/31
  • メディア: 単行本
    価格 : 1470円

 

 

 

 東京は南岸を抜ける低気圧に北風が吹き込んで寒いっす。特に受験生は風邪をひかないように注意!

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84.エジソン 理系の想像力 [物理]

 昨日、上野の科学博物館「菌類のふしぎ」展を見てきた。 →菌類のふしぎ展

 科博の企画展としてはおもしろかった。ような、マンガ「もやしもん」にだまされてるような…。何しろ会場のいたる所が「もやしもん」のキャラクターで埋まってる。こんな感じ。 ↓ これは家の中はいたるところ菌だらけなんだよー、という展示。恐ろしや。[がく~(落胆した顔)]

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 菌類についいてよく分かる展示内容だったけど、何かだまされてるような…。第2会場は完全にだまされてるので(ちょっと日本語が変^^;)、そっちはまぁ、期待しないでね。後は来週報告しよう。

 帰り、は銀座線で銀座に出てぶらぶら。JR有楽町駅から帰ろうと思って数寄屋橋の交差点で信号待ちしてたら、ソニービル側の歩行者が交差点と反対方向を向いているのに気がついた。アレッと思ってよく見るとみんな見上げてる。その視線の先を見ると…ビルの壁に車が止まっていて、そのそばで宙吊りの人が踊ってる!

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 父親から野次馬DNAを受け継いでいる僕としては当然交差点を渡ってその聴衆の輪に入ったさね。

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 壁を歩いて、上から二人降りてきて、下から一人上がっていき、車のそばで音楽に合わせて傘を使いつつ踊ってました。

 ソニービルのHPに行っても何も書いてないなぁ。何のパフォーマンスだったんだろう?それを見てくるのを忘れた。ちなみに5時半頃に始まった。毎日やってるのかな?

 

 さて、先週は女の子が読む伝記の定番マリー・キュリーだったので、今週は男の子が読む伝記の定番トーマス・エジソンにしてみよう。

 「トーマス・エジソン」で検索してたら、みすず書房の「エジソン 理系の創造力」という本を見つけた。“理想の授業”というシリーズの一冊らしい。

 誰を対象にやった“理想の授業”なのか書いてないんだけど、最後についている質疑応答の内容からすると大学生?かな。でも本の内容としては高校生向けって感じ。中学3年生後半なら読めるかな。

 エジソン(1847-1931)は言うまでもない大発明家。生涯に取った特許の数がなんと1093件!

 日本でエジソン伝記がよく読まれるのは、よく知られているとおり、白熱電球のフィラメントに日本の京都の竹を使ったためだろうね。それに実験、改良、工夫を重ねてものを発明していくところが“物作り日本”人の心に響くのか。

 さて電球の発明だが、エジソンが偉大なのは、電球を発明しただけではなく、発電所を作り、送電システムを考え(ここの話にはオームの法則がからんでいて、中学生にもちょっと面白いと思う)、電球を売り、というシステム全体を構築し、それを企業として(いったんは)成功させたところにある。

 有名な蓄音機もそうで、音を録音する機械を作っただけではなく、それを何に使うかを考え、それらこれら全体をシステムとしてパッケージングして開発していく。そのために次々と特許を取り、会社を作り、と大発明家であると同時に大起業家・企業家でもあったんだね。

 ただ、やっぱり技術屋の域から出ないので、結構失敗しているみたい。たは。^^;

 発電所~電球システムは「直流電流」にこだわったために交流システム前の敗れ去る。交流システムを叩くために交流を利用した死刑用の電気椅子を開発し、「交流は怖い」というイメージを一般に植えつけようともした。かなり強引な人だったみたい。

 蓄音機でも円筒への録音にこだわったため、円盤形のいわゆるレコードに最終的には負けている。円筒形だと一つずつ録音しなければ行けないけど、円盤形だと録音は1回だけで、あとはプレスで大量生産できるんだよね。ただ最初は円筒形の方が音は良かったらしい。

 

 この本の著者名和小太郎氏はシステム工学の専門家だそうで、その人が3回に渡ってやった講義をもとにした本のようだ。

 だから普通のエジソン伝と違って、“システム”の構築者としてエジソンをとらえており、また特許と社会が関わる、そういう時代の始まりを作った人としてエジソンをとらえていて、なかなかおもしろい本でした。

 でも上に書いたように高校生向けだなぁ。東工大附属高校なんかを目指してる人は読むと良いな。

 

◆中学生で読める度:★★★☆☆  
◆内容充実してる度:★★★☆☆    

 

エジソン理系の想像力 (理想の教室)

エジソン理系の想像力 (理想の教室)

  • 作者: 名和 小太郎
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本
    価格 : 1575円

 

 

 エジソンの円筒形蓄音機は学研の「大人の科学シリーズ」から出ている。今出ているのは“新”で、前の僕が作ったのは“新”がついていなかったような。

 普通の紙コップに針で音の振動を記録していき、その音の振動の記録を同じ装置で音に戻すというもので、1時間ぐらいで作れて、ちゃんと紙コップの外側の音が記録できる。

 まぁかすかな音だけど、あのエジソンの蓄音機が手元に!と感動したなぁ。

新エジソン式コップ蓄音機 大人の科学製品版

新エジソン式コップ蓄音機 大人の科学製品版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 単行本
    価格 : 2981円

 

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 amazonに画像がないので学研の大人の科学.netから画像を借りてきた(と言っても無断借用ですけど。スミマセン;;)。

 これで見ると今出ているやつはプラスチックコップに録音するんだな。そっちの方が音が良いのかしらん?


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