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83.マリー・キュリー [化学]

 生徒が「イソジンビタミンCを加えて色を消す実験を学校でやった」と言う。そこで家のイソジンを水で薄めて、そこにビタミンCのタブレットを1つ入れてみた。で、振ってみると…おっ、一瞬にして色が消えた!

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 調べてみると、要は水に溶けたヨウ素(イオン?)が、ビタミンCと結びつくことで、その色が消えているみたい。イソジン=ポピドンヨード水溶液をwikioedeiaで調べてみると、チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)でも色が消えるみたいだなぁ。

 

 イソジンは“ヨウ素溶液”だから、ご飯やジャガイモなんかにかけるとデンプンと反応して青紫色になる。そこでジャガイモでやってみた。イソジンをそのままかけたら色が青紫というより黒になってしまった。^^; 薄めてかけるべきだった。

 でもビタミンCタブレットでみごと透明に! ゜。゜/

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 さて、今週は先週の「パブロフ」と同じ「オックスフォード 科学の肖像」シリーズの「マリー・キュリー」を読んでみた。 

 「キュリー夫人」「エジソン」は、昔から小中学生が読む伝記の定番だが、 僕は読んだ事がなかった。定番は嫌い、へそ曲がりなので。もちろん業績についてはよく知ってる。パヴロフは業績についてもよく知らなかったけど。

 今回初めて読んでみたけど、なるほど、伝記になりやすい人だなぁ。

 1867年、ロシア支配下のポーランドのワルシャワに生まれた。父親は高校(たぶん今の日本の高校とは制度が違う)の地位の高い教官だったが、ロシア批判のため、次々に地位を引き下げられ、そのためキュリー家の経済状態は悪化していく。

 それに(当時の)ロシアの教育システムは女子に高等教育を受けさせないというもの。そこで向学心に燃えるマリーと姉のブローニャは不法な移動大学に通ったりしたんだそうだ。

 やがて姉と取り決めて、マリーが家庭教師などをして資金をかせぎ、ブローニャがフランスへ留学。ブローニャが卒業したら、今度はその稼ぎでマリーが留学。ついにマリーはパリのソルボンヌ大学で学ぶようになる。

 その時の喜びをマリーは自著「自伝的手記」

 新しいものを見る、新しいことを学ぶ、そのすべてがうれしかった。まるで新しい世界が目の前にひらけたようで、その科学の世界を好きなだけ知ることがやっと許されたのだ。

 と記しているらしい。とにかく勉強に精進する苦学生だったようで、料理をする時間が惜しくて栄養失調で倒れたとか、冬はあらゆる服を着込んでその上に家具(!)までのせて寒さをしのいだとか、いやぁすさまじい。義兄はこの時代を「英雄時代」と名付けてからかったらしい。たしかにねー。すごすぎます。^^;

 マリー・キュリーは1903年に夫のピエール・キュリーと共にノーベル物理学賞を、1911年に単独で(ピエールは1906年に事故で亡くなっている)ノーベル化学賞を受けているが、女性の受賞は初、2度受賞したのも初。

 一つめの物理学賞は「放射(線)現象に関する共同研究」が受賞理由で、二つめの化学賞は「放射線元素ラジウムの発見」について与えられている。ただ実際にはこの二つの研究はほぼ同じで、別々の名目で2分野の受賞になったのにはいろいろなドロドロがあるらしい。いつの時代にもあるこういうのは嫌だね。

 ところで「ラジウムの発見」がなんでそんなに大変なことかというと、放射線の重要性もあるけど、それまで不変とされてきた元素(今の中学生は習わない言葉なので“原子”と思っておけばよい)が他の元素に変わる、ということが衝撃的だったんだね。

 

 マリー・キュリーは、第1次大戦中は自らレントゲン車を作りそれに乗り込んで前線を駆け回ったり(当時まだレントゲンは一般的ではなかった)、戦後はフランスにラジウム研究所を作るための資金をアメリカから出させたり、とにかく科学の分野にとどまらないその献身的でパワフルな活動は感動的。ちょっと涙腺がゆるむな。

 

 さて、“伝記”としてはとてもおもしろいんだけど、「パヴロフ」とは違い、残念ながら“理科本”としてはあまりおもしろくなかった。

 このシリーズは普通の伝記本とは違って、科学的な補足説明が囲み記事でつく。この「マリー・キュリー」では「周期表」「放射能」「ラドン(怪獣じゃないよー)について説明がなされている。が、他の部分はわりと普通に伝記だった。期待していたものとはちょっと違ってた。

 

◆中学生で読める度:★★★★★  
◆内容充実してる度:★★★☆☆    

 

マリー・キュリー―新しい自然の力の発見 (オックスフォード科学の肖像)

マリー・キュリー―新しい自然の力の発見 (オックスフォード科学の肖像)

  • 作者: ナオミ・パサコフ
  • 出版社/メーカー: 大月書店
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 単行本
    価格 : 1890円

 

 

 僕の仕事部屋でいつもすうちいが食べていた「CIAO焼きのり味入り」が生産中止みたい。別のエサを買ってきたんだけど、お気に召さないようで、3口食べて“砂かけ”をしてくれた。おのれー!

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76.化学をつかむ [化学]

 やっと夏期講習が終わった-。でも8月31日(日)から2学期が始まる-。夏休みがない。[もうやだ~(悲しい顔)]

 まぁ、しばらく会えなかった生徒にもうすぐ会えるという楽しみはあるけど。僕は普段中1~中3まで10クラス持ってるんだけど、季節講習は基本的に中3の国立・難関私立受験クラスだけ持つ。あとのクラスはZ会が誇る優秀な講師陣にお任せ(ちょっと宣伝してみた^^)。

 きっとみんなハードな夏期講習で成長した顔を見せてくれることでしょう。新人[ぴかぴか(新しい)]も楽しみ。

 さて、今週は本棚から出てきただいぶ古い岩波ジュニア新書「化学をつかむ」にしよう。

 かな、と思ったんだけど、これは化学物質の結晶構造・分子構造の話なので中学生には無理。

 かな、と思ったんだけど、その結晶構造・分子構造を折り紙で理解しよう、というおもしろい本で、結晶のところはだいたいとばし読みしても充分おもしろいので、これにしよう。

 かな、と思ったら何と重版未定でないの。amazonで見たら古本が何と999円と6300円!定価530円なのに。つまり評価は高いんですな。まぁ、図書館にありそうだし(東京都目黒区は検索したら全館にあった)、やっぱりこれにしよう。そもそも他に読んでない。^^;

 まず基本は正四面体。 例えば最も単純な炭化水素(炭素と水素だけからできてる)であるメタンCH)がこの構造になる。メタンは天然ガスの主成分で、おならの主成分でもあるんだな、これが。^^;

 正四面体の中心に炭素があり、正四面体の4つの頂点に水素が1つずつつく。するとこんなメタンの分子ができあがる。

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 この正四面体だが、「ユニット折り紙」といって、同一のユニットを作り、それを組み合わせて作る。さて、まず、そのための2辺が1:√3の紙をまず作らなくてはならない。

 まず正方形の折り紙を2つに折り広げる。(左上)
 今の折り線に右上の角が来るように、右下から折る。(右上)
 左側も同じようにして折り線をつける。(左下)
 左右の折り線の交点で横と縦に切る。(右下)

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 切ると左のような1:√3の紙が2枚できる。
 その紙の右上と左下をあわせて折り線をつける(右)。

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 今の折り線に沿って、右上が左辺にちょうど来るように折る(左)。
 下側も同様(中左)。
 上下の白い部分を中に折り込む(中右・右)。

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 左上と右下の赤丸をつけたところの裏が重なるように山折りする(左)。
 左右の三角形も折りたたんで、全体が三角形に収まるように折り線をつける(右)。

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 これを開いて折り目の向きを整えると、もうこれだけでも正四面体!

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 これを最初に左上と右下をあわせて、あとも全部反対にした反対バージョンを作る(左の右)。
 この左右反対の2枚のユニットを、互いの中に差し込んでいく(右)。

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 次々に、かわるがわる差し込んでいく(左)。
 最後の1葉が難しい。うまくはまると正四面体のできあがり!

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 これを2つはじ同士くっつけてちょっとねじると炭素同士が結合したエタン)になり、2つのはじをくっつけると2重結合したエチレン)になる。このへんは中学生には意味不明だね。^^

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 これをCHではなくSiOとみなし、下図のように6つつなげる。これをたくさん広げ、上下にも重ねると石英、つまり水晶になるんだよー。ただし組成はSiO(二酸化ケイ素)でよい。

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 立方体やら正八面体スケルトンモデルの作り方も載ってる。

 ちなみに塩化ナトリウム(食塩)の結晶を普通に作るとよく図や写真にある段々の立方体になるけど、塩化マンガンを少し入れておくと左のようなきれいな立方体になり、尿素を数%入れておくと正八面体の結晶になるんだそうだ。不思議なもんだね、結晶の世界って。

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 長くなりすぎてしまった。すまん。今日の本は中学生にはちょっと難しいんだけど、まぁ、こういう世界もあるということで。それに岩波ジュニア新書の科学ものは一応全部もうらすつもりなのでね。

 それにこのユニット折り紙には一時期はまった(家にはあと何冊か本がある)ので、ちょっと力が入りすぎてしまいました。^^

 あっ、筆者はお茶の水女子大名誉教授の細矢治夫氏でした。

 

◆中学生で読める度:★★☆☆☆   中学生は図書館で借りて拾い読みかなぁ。
◆内容充実してる度:★★★★    

 

化学をつかむ (1983年)

化学をつかむ (1983年)

  • 作者: 細矢 治夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1983/04
  • メディア: 岩波ジュニア新書61
    価格 : 重版未定 古本か図書館で

 

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おつきあい、ありがとござんす。


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62.空気の発見 [化学]

 ちょっと前、日曜夜のドラマ「猟奇的な彼女」を見てたら石川啄木の歌が出てきた。そこでブログネタにしようかと思い「一握の砂」「雲は天才である」を本棚から探していたら「空気の発見」という見慣れない文庫本を発見した。^^; (結局ブログネタにはしなかった) 

 奥付けの日付を見ると高校生の時に買って読んだみたい。まだ出ているかな、とネットで検索してみると、当時の角川文庫ではなく、角川ソフィア文庫に住所は変えているものの、まだありました。そこで読み直して、今週の本とすることにした。

 初版が昭和37年なので(僕が読んだのはもちろんずっと後)、内容的にちょっと古いところもあるんだけど、なかなか読みやすいし、内容もいい。原子の話が出てくるので、中2の後半以降じゃないと読めないけど、そこをとばせば中1でもOKだなぁ。

 142ページしかない本だけど38の章に分かれている。その平均3ページの各章に、ガリレオによる空気の重さの発見から、空気の諸成分の発見、その性質まで、空気にまつわる様々なエピソードで「空気」が語られていく。

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 空気は意外に重いんだよね。上の写真のピンクの風船も、持った時に確かに重さを感じる。空気の密度は1.3g/Lだから、10L入ってれば13gだものな。結構重いよ。(ただし結構空気から浮力を受けるし、支点の紐の結び方でも動いてしまうので、写真は参考ということで。)

 “内容が古い”と書いたけれど、例えばヘリウムのところでは飛行船へ、燃えやすい水素の代わりの利用が進んでるとか、オゾンのところでは“オゾンホール”への言及が全くない。光合成についてもその化学的な仕組みはまだ分かってなかったみたい。

 だいたい巻頭に、

 たれが風を見たでしょう
 あなたも僕もみやしない
 けれど、こだちがあたまをさげて
 風は通りすぎてゆく。

 というイギリスのクリスチーナ・ロゼッティという詩人の詩を西條八十(やそ)が訳したものをのせ、「君たちも、たぶん、この歌を知ってるでしょう。」ときた。こういう歌をみんなが口ずさんでいた時代なんですね。^^

 文章や挿絵にも時代がかおるんだけど、それは“味”というものでしょう。青空の秘密(“レイリー散乱”という)なんかも中学生にはおもしろいと思うよ。うすいし、電車通学、通塾の人はその車中でどうでしょう? 

 

◆中学生で読める度:★★★★★  
◆内容充実してる度:★★★☆☆  

空気の発見 (角川文庫 白 124-1)

空気の発見 

  • 作者: 三宅 泰雄
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007
  • メディア: 角川ソフィア文庫SP208
    価格 : 294円
  • (なぜかリンクは古い版に張られている)

 

 

 さて、夏期講習、2学期のテキストの直しの原稿〆切が次々迫ってきとります。しかもすうちいの妨害にあい、仕事がはかどらないんです。T T

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 ということで、更新は週1のこの本の紹介だけに当分なりそうです(と言いつつ、そのうちミネラルフェアの告知をしますけど)。

 また、皆様のところへの訪問も間遠になってます。お許しを。


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30.ろうそくの科学 [化学]

 2007年度のノーベル平和賞が映画「不都合な真実」をつくり「人類が引き起こした気候変動に関する知識の普及に尽力した(ノーベル委員会)」アル・ゴア前米副大統領に授与された(単独受賞ではない)。

 この映画は今年のはじめに日本でも公開され、見た人も多いでしょう。本も出ている。実は僕はまだ映画は見ていない。本は読んだけど。^^; 春の保護者会で「見た方が良いですよ。」と言っておきながら。DVDが出ているのですぐに見てみます。

 朝日新聞夕刊の「地球防衛家のヒトビト」でもさっそくネタにされていたが、われわれの世代としては「ゴア」と言えば地球征服を狙う悪人。こんな奴↓

 

「やはりまずい」というご指摘をいただいたので(ご指摘ありがとう)、手書きに変えてみました。手塚治虫が描いたんじゃないよ。わかるか。

 手塚治虫が1965年に連載を始めたマンガ「マグマ大使」の中に出てくる「宇宙の帝王ゴア」で、地球征服を狙う。皮肉にもこのゴアと戦うマグマ大使を作った正義の味方は「アース(つまり地球)」という名の謎の博士。

 秋田書店から出ているものの第1巻だけ持っているので、読みかえしてみたけど、手塚治虫の全盛の各誌に描きまくっていた頃の作品だから、ちょっと内容が雑だなぁ。たいしておもしろくないけど、ゴアは強烈に印象に残る。

 ところで、こういった時事問題は、理科では意外に入試に使われる。去年の「冥王星が惑星からはずれる」ということも開成、学大などで使われた。

 今年で言えば、この「不都合な真実」、我が月探査衛星「かぐや」、異常な高温だった夏、5月頃のニュース出たやっと発見された「花咲かホルモン(正式には花成ホルモン) 」、燃料電池自動車もいろいろ話題があった。難関校受験中3生はこういったことについては一通りの知識を持っていた方がよい。公立高校入試ではあまり見かけないが、一応知っておこう。

 今週は大名著であるファラデー著「ロウソクの科学」を紹介しよう。これは1861年に行われたロンドンの王立研究所で催された少年少女向けの全6回のクリスマス講演(まだ続いている!)の記録である。

 ロウソクを題材に、その燃え方、燃えるには酸素が必要なこと、燃えて二酸化炭素や水を生じること、そのことからロウソクに炭素や水素が含まれていること、炭素や水素の性質、そして人間もロウソクと同じように酸素を取り入れ、二酸化炭素を放出して生きていること、その二酸化炭素は植物が利用することまで、見事なつながりを持って、実験によって次々と明らかにしていく。

 

 “ロウソク”を明らかにしていくために、実験はロウソクだけにとどまらない。例えば、銃身に詰めた鉄くずの中に水蒸気を通すと、水(蒸気)の中の酸素が鉄と反応し、銃身の反対側からは水素が出てくる。その水素の性質をさらに明らかにしていく。

 水の電気分解まで行って、酸素や水素の性質を明らかにしていく。ちなみに電気分解はファラデーの研究テーマの一つ。

 ファラデー(1791-1867)は電磁誘導の発見などとても幅広い研究分野を持つ偉大な科学者だ。 その師に「私の最大の発見はファラデーを見いだしたことだ。」と言わせるほど。

 その偉大なファラデーが少年少女向けに丁寧に丁寧に一つ一つの事象を様々な角度から解き明かしていく。この講演を生で聴いた子ども達の何という幸せ!生で、いやDVDでもいいんですけど、聞きたいなぁ。この本を読んでいると、ここまで準備して話しをするのか、と思う。また、その着想の豊かさに驚く。

 僕はこの本を高校生の時に岩波文庫版で読んだ(そういう大人の人も多いはず)。当然岩波文庫だと思っていたら、今は角川文庫なんですね(もっとも初版は意外に古い)。翻訳者も変わっていました。

 さて評価だが、翻訳が講演の再現に力点を置いているので、その公演を見ずに本だけ読むのは、多分中学生にはちょっときつい。内容はもちろんすばらしい。科学する基本姿勢が込められている。でも中学生が読み通すのはちょっときびしそうだなぁ。高校生にはぜひ読んでもらいたいなぁ。 

中学生で読める度:★★★☆☆
◆内容充実してる度:★★★★★

 
ロウソクの科学 (角川文庫)

ロウソクの科学

  • 作者: 三石 巌, ファラデー
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1962/10
  • メディア: 角川文庫
    価格 : 380円

 

 ところでロウソクを上から見たことがある? こんな感じだよ。

 どうなっているんだろう? と思うことが科学の第1歩だね。

  
 
 

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16.元素の小事典 [化学]

 猫は上に陣取るのが好き。これは上に位置する猫の方が上位の気分になれるからだ。すうちいも居間では食器棚の上に自分の陣地を持っている。

 

 ↑これはだいぶ若かりし頃。ここにいるときは強気で、母親がここから引っ張り出そうとすると「ブブブーッ!!」 というブタみたいな鳴き声で威嚇する。私にはおとなしく従うけどね、ちゃんと順位を分からせてあるから。
 このブタ声やら「プキュー」やらすうちいは独特の鳴き声を出す。あまり他の猫と交わったことが無いせいだろうか。自分が猫だって分かっているのかな?

 中3の授業では天体をやっているし、私が「星、☆、★!」と騒いでいるわりには生徒はあまり星を見ていないみたいで、7月8日の授業で「織り姫と彦星を見た?」と聞いても、「見た!」という生徒はほとんどいなかった。視聴率では必殺仕事人に惨敗でした。
 まぁ、梅雨だからね。梅雨が開けたら、皆、星を見てくれるでしょう。木星も土星も何年かごとにしか見られないから、貴重なチャンスだよ。
 明日(7/12)は金星が最大輝度になるけど、台風4号が来ていて日曜日あたりまで星は見えそうにない。でも、台風一過の青空! というおみやげが来週の月曜日あたりにあるかもしれない。

  さて、今まで15冊+αの本を紹介してきたが、「化学分野」のものは0である。中学生でも読める化学ものというのは実はなかなか無い。何しろイオンは習っていないわ、化学反応式は6個しか習わないわで、まともな内容のものは中学生には読めない。文科省よ、なんとかしてくれ。

 さてさて、今回取り上げるのは岩波ジュニア新書から高木仁三郎著「新版 元素の小事典」だ。私はこの手の本として講談社ブルーバックスの桜井弘著「元素111の新知識」をすでに持っていた。

 これは111の元素(これも中学で習わない単語になってしまった。だから、中学生は“原子”と思っておいてかまわない)について、その電子の配列やら融点やら発見物語やら生体での含有比やらいろいろ載っており、テキストの原稿を書くときにずいぶん参考にさせてもらっている。化学をとっている高校生は是非持っていると良い。

 さてさてさて、一方の「元素の小事典」は、“ジュニア新書シリーズ”+化学ものとして、とにかく買って、紹介しておこうと思ったもの。が、これはかなりあたりの本だった。

 それほど詳しいデータが載っているわけではない。例えばNa(ナトリウム)の項は「新知識」の方では5ページを使い、その性質、工業的な用途から「成人(体重70㎏)の体には100g」 「血液100mlには0.9g」など、とても詳しく記されている。一方「小事典」の方は、2ページ(全ての元素で2ページ)を使い、ほぼ燃やしたときの黄色い炎についてと原子力発電所での冷却剤としての利用についてだけ述べられている。

 ではどこが良いのかというと、中学生・高校生のために書かれているのだ。“向けに”ではなく“ために”。

 著者の高木仁三郎という人は、東大原子力研究所や都立大学助教授などを経て、晩年は社会的問題に取り組む科学者を養成する高木学校を主催した。残念ながら2000年に亡くなったらしい。

 科学には功罪の両面がある。我々の生活は科学の発展によってとても便利になった。ブログを通じて会ったこともない人たちと知り合えたりする。でも様々な害も及ぼしてきた。公害・環境問題もそうだし、その生活への大きな影響は人の心にすきま風を吹かせているかもしれない。

 この本(小事典)は、おもしろいエピソードを展開しつつも、若い人たちにいろいろと考える材料を与えてくれている。いつか読んでみると良い。あまり化学的性質やデータにこだわっていないから中学生でも読めるよ。

  ところで、サイエンスチャンネルのメンデレーエフの奇妙な棚という番組を見たことがありますか? インターネットで一部を見ることができるが、文部科学省科学技術振興機構がつくっていて、いろいろな元素(原子)についてだじゃれ満載で紹介していくという、へんな、そしておもしろい番組。「キャベツ+ティッシュ」で「キャベンディッシュ」とかね。時間があったらちょっと見てごらん。

 「小事典」の「チタン Ti」の項にはこんなことが書いてある。 「日本は平和な国だという。しかし、兵器に守られた平和とはいったい何だろうか。」 チタンは軽くてさびにくく、加工しやすい素材なので飛行機によく使われる。特に「戦闘機こそ、チタンのかたまりといってもよい。(これも引用)」。
 科学の果実が平和だけに使われる使われる日は来るのだろうか? それは君らしだいだね。

 

◆中学生で読める度:★★★★
◆内容充実してる度:★★★★


元素の小事典

元素の小事典

  • 作者: 高木 仁三郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 岩波ジュニア新書316
    価格 : 819円

 

 

◆中学生で読める度:★★★☆☆
◆内容充実してる度:★★★★


元素111の新知識―引いて重宝、読んでおもしろい

元素111の新知識―引いて重宝、読んでおもしろい

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/10
  • メディア: ブルーバックスB1192
    価格 : 1050円


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